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美味しい食べものとお酒、旅にまつわる日記
by eichikay

貧乏だけど贅沢

1999年発行の、沢木耕太郎の旅を巡る対談をまとめた「貧乏だけど贅沢」を読みました。
文庫本の「深夜特急」の巻末にも掲載されていたらしいのですが、井上陽水、阿川弘之、
此経啓助、高倉健、群ようこなどバラエティに富む10人との対談集です。
「深夜特急」は、私の一つの人生の転換点、ひょっとしたら今の私の基点になった書籍と
言っていいかもしれません。世界は広く、その距離感は自分の足で確かめられるものなの
だということが、それまでの人生の閉塞感を打ち破ってくれたような気がします。
「貧乏だけど贅沢」では、何が旅に駆り立てるのか、旅で何を見て何を感じるのか、そして
旅が残してくれるものは・・・ということを語っているのですが、各人の「旅観」と沢木耕太郎の
それが絡み合って、とても面白い一冊でした。
テレビ番組やインターネット、ガイドブック、本、雑誌などを通して、世界中の情報が簡単に
手に入るようになりました。かくいう私も、旅の手配はほとんどインターネットで済ませます。
事前に行きたい美術館や美味しいレストラン、買いたいお土産までチェックして、ある意味
旅が事前調査の追認作業のようになっているのではないか・・・この本を読んで改めてその
感を強くしました。いい、悪いは別としてね。
明日、北イタリアに向けて妹+甥っ子との家族旅行に出かけます。3歳の甥っ子がいますから
無茶はできませんが、今回は沢木耕太郎的感性を持って旅してみたいと思います。地図を
広げて、心惹かれるままに歩いてみましょう。見逃すものや経験し逃すこともたくさんあるかも
しれませんが、その代わりに得るものもあるのではないかしら。何もなくても、愛する妹と
甥っ子とイタリアの空気を胸いっぱいに吸い込んで、その場を感じるだけで十分なのかも
しれません。行ってまいります!

写真は、前回バローロ&バルバレスコに連れて行ってくださった、ミラノのOGHさんへの
お土産のワイン。今回はミラノで妹+甥っ子ともども、お食事をご一緒させていただくことに
なっています。旅の出会いに感謝ですね。イタリアで甲州をいただくなんて、素敵でしょ。
OGHさん行きつけのエノテカで、イタリア人ソムリエの感想も聞いてみたいと思っています。

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by eichikay | 2009-11-15 20:39 | 大きな旅小さな旅